前回の記事で、妻の妊娠高血圧をきっかけに予定より1か月早く出産することになった体験を書きました。今回は、そもそも「妊娠高血圧症候群」とはどんな病気なのか、調べたことをまとめつつ、自分たちの経験と照らし合わせてみようと思います。
医学的な内容は日本産科婦人科学会などの情報を参考にしていますが、この記事は個人による情報整理であり、医学的なアドバイスではありません。気になる症状がある方は、自己判断せず必ず医師にご相談ください。
妊娠高血圧症候群とは
妊娠高血圧症候群は、妊娠中に血圧が高くなる病気の総称です。原因ははっきりとは分かっていませんが、赤ちゃんに栄養や酸素を送る「胎盤」がうまく形成されないことが関係していると考えられています。妊娠初期に胎盤がうまく作られないと、母体は子宮や胎盤への血流を増やそうとして血圧が上昇してしまうそうです。
病型は「妊娠高血圧腎症」「妊娠高血圧」「加重型妊娠高血圧腎症」「高血圧合併妊娠」の4つに分類されます。
どのくらいの頻度で起こる?危険因子は?
情報源によって差はありますが、妊婦の20人に1人程度(7〜10%程度とする情報もあります)が発症するとされています。決して珍しい病気ではありません。
危険因子としては、以下のようなものが挙げられています。
- 初産婦で20歳未満、または35歳以上
- 過去の妊娠で妊娠高血圧症候群になったことがある(再発率は15〜20%程度)
- 家族歴、慢性高血圧、糖尿病、腎疾患がある
- 双子以上の多胎妊娠(単胎の2〜3倍のリスク)
- BMI25以上の肥満
初期症状・危険なサイン
初期はあまり自覚症状がないケースも多いとされていますが、注意すべきサインとして以下が挙げられています。
- むくみ(浮腫)
- 頭痛、めまい
- 目が見えにくい、チカチカする
- 1週間に500g以上の急激な体重増加
重症化のサインとしては、持続する頭痛(薬が効かないもの)、目のチカチカ・まぶしさ、みぞおちや右あばら骨の下の急な痛みなどがあるそうです。
母体・赤ちゃんへの影響
重症化すると、母体には常位胎盤早期剥離、子癇(けいれん発作)、脳出血、心不全、腎機能障害などが起こる可能性があります。赤ちゃんには、血流が悪くなることで栄養や酸素が届きにくくなり、発育が遅れる「胎児発育不全」が起こることがあります。
予防のためにできること
妊娠高血圧症候群を確実に防ぐ方法は、今のところ見つかっていないそうです。ただ、以下のような対策が有効とされています。
- 塩分を摂りすぎない(妊娠中の食塩摂取量の目安は1日7g未満)
- 妊娠前から適正体重を意識し、妊娠中の急激な体重増加を避ける
- バランスの良い食事と規則正しい生活習慣
- 定期的な妊婦健診を必ず受ける
また、前回重症化した方など再発リスクが特に高いケースでは、医師の判断のもと、妊娠早期(16週頃まで)から低用量アスピリンを内服することで発症を予防できる場合があるそうです。これはあくまで医師の管理下で行うものなので、気になる方は次回の妊娠が分かった時点で早めに相談してみてください。
我が家の場合
私たちの場合、事前に気づけたサインがあったのか今でも分かりませんが、振り返ると、むくみはかなりひどく出ていました。それに加えて、「以前よりかなり食欲が増していた」「検診前日、頭のかさぶたをめくった際に出血が止まりにくかった」ということもありました。むくみは医学的にも知られている代表的なサインの一つだそうですが、当時はまさか妊娠高血圧に結びつくとは考えていませんでした。
結果として、34週での緊急帝王切開となり、お腹の中での赤ちゃんの発育は32週相当、息子は2102gで生まれてきました。詳しい経緯は前回の記事に書いています。
次の妊娠に向けて
先ほど触れたとおり、妊娠高血圧症候群は一度経験すると、次の妊娠でも15〜20%程度の確率で再発するとされています。実際に私たちも医師から、次に妊娠する場合は今回搬送されたのと同じ、比較的大きな病院で出産するようにと言われています。
もし2人目、3人目を考えている方で、過去に妊娠高血圧症候群を経験したことがあれば、出産する病院選びの際にこの点を医師に相談してみることをおすすめします。
今振り返って、伝えたいこと
調べてみて感じたのは、妊娠高血圧症候群は決して珍しい病気ではなく、誰にでも起こりうるということです。だからこそ、定期的な検診で血圧や尿検査をきちんとチェックしてもらうことの大切さを、身をもって実感しました。
もし今、妊娠中でむくみや頭痛、急激な体重増加などが気になっている方がいれば、遠慮せず早めに医師に相談してほしいと思います。
参考:日本産科婦人科学会「妊娠高血圧症候群」

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